ついで買いを促すマーケティング用語とは?客単価UPに効くクロスセル等の実践術
「もう一点、いかがですか?」
この一言で、ついカゴに商品を入れてしまった…。そんな経験、ありませんか?
それが「ついで買い」の持つパワーです。
お店やネットショップの売上を「もうひと押し」したいなら、この「ついで買い」の心理とテクニックを知ることがカギになります。
この記事では、まず「なぜ人は、つい買ってしまうのか?」という心の動きから、やさしく解説します。
よく似ている「クロスセル」と「アップセル」の違い、セット売りの効果、「お店のどこに商品を置くか」といった基本をしっかり押さえます。
そのうえで、「ついで買い」を誘う具体的なテクニックも見ていきましょう。
成功しているお店のマネしたい「コツ」から、昔からある「レジ横の商品」、そして今のネットショップで「お客さん一人あたりの単価を上げる」方法まで、全部お伝えします。
特にネットショップでは、「あといくらで送料無料」の設定や「おすすめ機能」の使い方がとても大切です。
この記事を最後まで読めば、「ついで買い」のテクニックが分かり、売上アップのためのヒントがきっと見つかります。
この記事のポイント
- なぜ人は「ついで買い」してしまうのか?(顧客心理)
- 「クロスセル」と「アップセル」の具体的な違い
- お店(実店舗)とネットショップ、それぞれで使えるテクニック
- 「客単価アップ」につながる用語と使い方
ついで買いのマーケティング用語と基本戦略

- ついで買いを促す心理とは?
- クロスセルとアップセルの違いを解説
- セット購入や割引の有効性
- 店舗レイアウトでできる工夫
ついで買いを促す心理とは?
「ついで買い」(衝動買いとも言います)は、「これが絶対に必要だ」というキッチリした理由(論理)よりも、「なんとなく欲しいかも」という気持ち(感情)で起こることがほとんどです。
お客さんが「つい、これも買っちゃおう」と思う裏側には、いくつかの強力な心理が働いています。
1. お得感(「得した!」という感覚)
「どうせなら、これも買っておこう」「今これを買えば、送料がタダになる」
こうした感覚は、シンプルに「お得感」から来ています。
お客さんは、追加で買うことで「お金や時間の面でトクをした」と感じると、買うことへのブレーキがゆるくなります。
2. ソンをしたくない心理(損失回避)
人は「何かを手に入れる喜び」よりも、「何かを失う痛み」のほうを強く感じる生き物です。
「今これを買わないとソンするかも」「このセット割引は今日だけかも」…。
こうした「ソンしたくない」という感情が、「ついで買い」を強力にあと押しします。
3. 自分へのイイワケ(自己正当化)
もともと欲しかったモノを買うと、「あー、良い買い物ができた」と満足します。
その満足した気持ちを背景に、「これくらいなら、追加で買ってもいいかな」と、自分自身にイイワケ(正当化)をしやすくなるのです。
4. 「みんなも持ってる」という安心感(バンドワゴン効果)
「みんなが買っているから」「これが一番人気だから」という理由で、つい選んでしまう心理です。
「当店人気No.1」や「レジ横で一番売れています」といったポップは、この安心感を利用したテクニックです。
クロスセルとアップセルの違いを解説
「ついで買い」をうながすテクニックとして、絶対に知っておきたいのが「クロスセル」と「アップセル」という2つの言葉です。
どちらも「お客さん一人あたりの単価を上げる」という目的は同じですが、やり方がまったく違います。
クロスセル(Cross-Sell)
クロスセルは、お客さんが買おうとしている商品に「関連する別の商品」をおすすめするテクニックです。
たとえば、ハンバーガーを買うお客さんに「ご一緒にポテトやドリンクはいかがですか?」とすすめるのが、典型的なクロスセルです。
- 目的: 買ってもらう「点数」を増やすこと。
- 例: スマホに「ケース」、パソコンに「マウス」、シャツに「ネクタイ」。
アップセル(Up-Sell)
アップセルは、お客さんが買おうとしている商品よりも「値段が高い、もっと良いモデル」や「もっと量の多いプラン」をおすすめするテクニックです。
ハンバーガー(150円)をMセット(500円)に、さらにLセット(600円)に変えてもらうのがアップセルです。
- 目的: 買ってもらうモノの「単価」を上げること。
- 例: 通常プランから「プレミアムプラン」へ。小さいモデルから「大きいモデル」へ。
この2つの違いを、下の表でハッキリ整理しましょう。
| クロスセル (Cross-Sell) | アップセル (Up-Sell) | |
| 提案する商品 | 関連商品・「合わせ買い」商品 | 上位商品・「もっと良い」商品 |
| 目的 | 購入点数を増やす | 購入単価を上げる |
| お客さんの心理 | 「あ、それも必要だった」 「セットがラクでいいな」 | 「どうせなら良いものが欲しい」 「そっちのほうが(結果的に)お得」 |
| 具体例 | スーツ+ネクタイ コーヒー+ドーナツ | エコノミー → ビジネス 100g → 200g(増量) |
どちらを優先すべき?
一般的に、お客さんの「心のブレーキ」がかかりにくいのはクロスセルだと言われています。
まずは関連する商品をおすすめし、お客さんとの信頼関係ができてから、より高いアップセルをねらうのが王道です。
セット購入や割引の有効性
セット購入(セット販売)は、クロスセルを「もっと強力に」「自動的に」行うためのテクニックです。
お客さんにとっては、一つひとつをバラバラに選ぶ手間がはぶけ、さらに「セット割引」というハッキリした金銭的メリットがあるため、「ついで買い(セットで買う)」を選びやすくなります。
セット購入が効く理由
- 知覚価値の向上(「すごくお得」と感じる):
「単品だと合計3,000円のところ、セットなら2,500円」と言われると、お客さんは「500円も得した」と感じます。たとえ原価が同じでも、お客さんが感じる「お買い得感」が高まります。 - 選ぶのがラクになる(意思決定の簡略化):
選択肢が多すぎると、お客さんは迷ってしまい、結果「やっぱり、やめとこう」(決定回避)となりがちです。セット商品は「これさえ買えば間違いない」という安心感を与え、購入の決断を早めます。 - 在庫をうまくさばける:
人気商品と、あまり売れていない商品(いわゆる「死に筋」)を組み合わせることで、在庫全体をうまく動かす戦略としても使えます。
ただし、セットにする商品の関連性が低かったり、割引額が小さすぎたりすると、お客さんは「お得感」を感じられず、この方法は失敗してしまうので注意が必要です。
店舗レイアウトでできる工夫
実際のお店の場合では、「ついで買い」は「お客さんが店内を歩くルート(動線)」と「商品の並べ方(陳列)」にも大きく影響されます。
計算されたレイアウトは、何も言わなくても商品を売ってくれる「無言のセールスマン」になります。
1. クロスマーチャンダイジング(合わせ買いの仕掛け)
これは、関連する商品を「あえて同じ売り場」に並べるテクニックです。
スーパーの「お肉売り場の近くに、焼肉のタレを置く」「パスタの棚に、パスタソースを並べる」などが代表例です。
お客さんは目的の物を探すついでに、関連商品を自然と目にするため、買い忘れを防ぎつつ「ついで買い」を誘います。
2. お客さんが歩くルート(導線)の最適化
多くのスーパーでは、お客さんが店内をできるだけ長く歩き回るように、入り口からレジまでのルートが設計されています。
特に「マグネット商品(牛乳、卵、パンなど、お客さんがそれ目当てで来る商品)」をあえて店の奥に置くことで、お客さんはそこに着くまでに、他のたくさんの商品棚(=ついで買いのチャンス)の前を通ることになります。
3. ゴールデンゾーンの活用
お客さんの「目線の高さ」(だいたい床から130cm〜150cm)は、商品が一番手に取られやすい「ゴールデンゾーン」と呼ばれます。
この場所に、お店が一番売りたい商品や、ついで買いしてほしい商品を置くのが基本です。
4. レジ横(レジ前)
くわしくは後で説明しますが、レジを待つわずかな時間を使った商品陳列は、「ついで買い」戦略の基本中の基本です。
ついで買いを誘うマーケティング用語の実践例

- ついで買いの成功事例から学ぶコツ
- レジ横に商品を置く古典的な手法
- ECサイトで客単価アップを狙う施策
- 効果的な送料無料ラインの設定方法
- レコメンド機能の最適な使い方
- ついで買いのマーケティング用語を理解し売上増へ
ついで買いの成功事例から学ぶコツ
「ついで買い」は、どんな業界でも行われています。
ここでは、特に有名な成功例から、私たちがマネできる「コツ」を見てみましょう。
1. マクドナルド:「ご一緒にポテトはいかがですか?」
これは、世界で一番有名なクロスセルのセリフです。
お客さんのメインの注文(ハンバーガー)が終わった瞬間に、一番相性の良いサイドメニュー(ポテト)をすすめる。
この「タイミング」と「組み合わせの良さ」が成功のカギです。
お客さん側も「そういえばポテトも食べたい」と自然に受け入れられます。
2. Amazon:「よく一緒に購入されている商品」
ネットショップの「ついで買い」戦略は、Amazonが完成させたと言ってもいいでしょう。
購入データをもとに、「この本を買った人は、この本も買っています」「このカメラと、このSDカード、このケースが一緒に買われています」と教えてくれます。
これは、お客さんの「買い忘れ」を防ぐと同時に、「みんなも買ってるんだ」というデータ(社会的証明)によって、クロスセルの成功率をグッと高めています。
3. コンビニエンスストア:「レジ横の揚げ物・コーヒー」
コンビニのレジ横は、「ついで買い」の「聖地」です。
お弁当などを買いに来たお客さんが、レジで待つわずかな時間に、「淹れたてのコーヒーの香り」や「揚げたてのコロッケ」で感覚を刺激します。
「あ、ちょっと小腹空いたな」という隠れたニーズを掘り起こし、「すぐ食べられる」という手軽さで、最後の一押しをします。
これらの成功例に共通するコツは、「お客さんのメインの買い物のジャマをせず、ごく自然に関連商品をすすめること」です。
決して押し売りではなく、「あったら嬉しいかも」を先回りして見せてあげるのが大切です。
レジ横に商品を置く古典的な手法
実際のお店では、レジ横のスペースは「一等地」と呼ばれます。
なぜなら、会計(=お金を払う)の直前であり、お客さんが「財布を開く準備」ができているため、買い物に対する心のブレーキが一番ゆるんでいる場所だからです。
このテクニックは「POP(ポップ)マーケティング」などとも呼ばれます。
レジ横に置くべき商品の特徴
- 安いこと:
お客さんが「ついでに」買うため、数百円くらいで、悩まずに買える価格がベストです。(例:ガム、アメ、栄養ドリンク) - 小さいこと:
場所が限られているので、かさばらない商品である必要があります。 - パッと見て欲しくなること:
機能やスペックをじっくり比べる商品(例:高機能イヤホン)は向きません。直感で「あ、欲しい」と思わせる商品(例:新発売のチョコ、季節限定の味)がピッタリです。 - 買い忘れがちなモノ:
「あ、忘れてた」と思い出させる商品。(例:乾電池、ライター、リップクリーム)
スーパーのレジ横に乾電池やガムが、服屋さんのレジ横に靴下やアクセサリーが置いてあるのは、すべてこの伝統的で強力なマーケティング戦略にもとづいています。
ECサイトで客単価アップを狙う施策
ネットショップ(ECサイト)は、実際のお店と違って「レイアウトの制約」が少なく、お客さんのデータ(見たページ、買ったモノ)をすぐに使えるため、もっと進んだ「ついで買い」の仕掛けができます。
1. オーダーバンプ(Order Bump)
オーダーバンプとは、お客さんがカート(買い物カゴ)や決済ページに進んだ「後」で、関連する安いオプションを「ちょい足し」するテクニックです。
たとえば、「+300円でギフトラッピングを追加」「+500円で保証期間を延長」といったチェックボックスを出す方法です。
お客さんはすでに買うと決めているため、「ついでに」チェックを入れやすいのが特徴です。
2. ワンクリック・アップセル(1-Click Upsell)
これは、お客さんが購入ボタンを押した「直後」に、「今だけ! 買った商品のプレミアム版を+1,000円でアップグレードできます!」といった特別なオファーを出すテクニックです。
決済情報をもう一度入力する必要がないため、お客さんにストレスをかけずにアップセルをねらえます。
注意点:しつこさは逆効果
ネットショップの仕掛けは、やりすぎると「しつこい」「分かりにくい」と、お客さんの気分を悪くさせる(顧客体験=UXをそこねる)原因になります。
ポップアップが出すぎたり、買い物の手順が複雑になったりすると、お客さんは買うこと自体をやめてしまいます(カゴ落ち)。
バランスがとても重要です。
効果的な送料無料ラインの設定方法
ネットショップ(ECサイト)において、「送料無料になるライン」は、「ついで買い」をうながす最も強力な「きっかけ(動機づけ)」の一つです。
なぜ送料無料は効くのか?
多くのお客さんにとって、「送料」は商品の値段とは別の「ムダな出費(ソン)」だと感じられます。
同じ500円でも、商品(=価値)に払う500円と、送料(=コスト)に払う500円では、送料のほうがはるかに「ソンをした」と感じやすいのです。
そのため、「送料を払うくらいなら、その分を別の商品に使って送料無料にした方がトクだ」という心理が働き、「ついで買い」が起こります。
効果的なライン設定のコツ
カギとなるのは、自分のお店のお客さんが「1回の買い物で平均いくら使っているか(平均注文単価)」を知ることです。
たとえば、平均注文単価が4,000円のお店で、送料無料ラインを「3,000円以上」にしても、ほとんどのお客さんがすでにクリアしているので、「ついで買い」は起きません。
逆に「10,000円以上」にすると、ハードルが高すぎて「そんなに買わないからいいや」とあきらめられてしまいます。
一番効き目があるのは、平均注文単価の「少し上」です(例:平均4,000円なら、5,000円に設定)。
こうすることで、多くのお客さんが「あと1,000円で送料無料になる」という状況になり、その1,000円をうめるための「ついで買い」を探し始めるのです。
さらに、「あと〇〇円で送料無料です!」と、カート画面で具体的な金額を教えてあげることで、お客さんの行動を強くあと押しできます。
レコメンド機能の最適な使い方
レコメンド機能(おすすめ機能)は、AmazonやNetflixが使っていることでおなじみの、ネットショップの「ついで買い」戦略の中心となる技術です。
「あなたへのおすすめ」として出てくる、アレです。
レコメンド機能は、お客さんの行動データをもとに、クロスセルやアップセルのチャンスを自動的に作ってくれます。
主なレコメンドの種類
1. 協調フィルタリング
「あなたと好みが似ている人は、こんな商品も買っていますよ」とすすめる方法です。
また、「この商品を買った人は、こんな商品も買っています」というのも、これにあたります。
Amazonの「よく一緒に購入されている商品」が代表例で、非常に強力なクロスセル(合わせ買い)テクニックです。
2. コンテンツベース
「あなたが今見ている商品(例:赤いTシャツ)と、似た特徴(例:他の赤い服、他のTシャツ)の商品をおすすめします」という方法です。
お客さんの好みに合わせて、関連する商品や「こっちのほうが良いかも」という別の商品(アップセルの可能性)を見せます。
3. 閲覧履歴・購入履歴ベース
「最近チェックした商品」「前に買った商品の関連アイテム」など、そのお客さん個人の「過去の行動」にもとづいて、ピッタリな提案を行います。
最適な使い方と配置
「おすすめ」は、ただ表示すれば良いわけではありません。「どこで」「何を」見せるかが重要です。
- トップページ:
過去の履歴から、その人の好みに合わせた「あなたへのおすすめ」を表示。 - 商品詳細ページ:
「この商品を見た人はこれも見ています」(比較・買い替え)、「よく一緒に購入されている商品」(合わせ買い)を表示。 - カートページ:
「買い忘れはありませんか?」(合わせ買い)、「この商品を買った人は、これもカートに入れています」と、最後の一押し。
レコメンド機能の「精度」が低いと、まったく関係のない商品が表示され、お客さんにとってはジャマな情報(ノイズ)になってしまいます。
いかに「まさにそれが欲しかった!」と思わせる提案ができるかが、成功のカギを分けます。
ついで買いのマーケティング用語を理解し売上増へ
この記事で解説した「ついで買い」に関するマーケティング用語と戦略の要点を、最後にリストでまとめます。
これらを理解し実践することが、客単価アップ、ひいては売上全体の増加に直結します。
- 「ついで買い」は「衝動買い」のひとつ。客単価アップのカギ。
- お客さんの「お得感」や「ソンしたくない」という心理をうまく使うことが大切。
- クロスセルは、関連する「別の商品」をすすめること。(例:ハンバーガーにポテト)
- アップセルは、より値段が高い「上位の商品」をすすめること。(例:MサイズをLサイズに)
- クロスセルとアップセルは、目的(点数を増やすか、単価を上げるか)が違う。
- セット購入(バンドル)は、「お得感」と「選ぶ手間を省く」メリットがある。
- お店では「クロスマーチャンダイジング(関連陳列)」が効く。(例:肉の横にタレ)
- お店のレイアウトは、お客さんが歩く「導線」を考えて設計する。
- レジ横(POP)には、「安くて」「小さく」「パッと見て欲しくなる」商品を置くのが基本。
- マクドナルドやAmazonの成功例は、すすめる「タイミング」と「商品の関連性」がうまい。
- ネットショップでは「オーダーバンプ」で、決済前に「ちょい足し」をうながす。
- 「送料無料ライン」は、「平均注文単価の“少し上”」に設定するのが一番効く。
- 送料を「ソン」と感じる心理が、「ついで買い」を生む。
- カート画面で「あと〇〇円で送料無料」とハッキリ見せる。
- レコメンド機能は「あなたと似た人が買っています(協調フィルタリング)」が強力。
- レコメンドは「的外れ」だと逆効果。「精度」が命。
- 「ついで買い」の仕掛けは、お客さんの「買い忘れ防止」という便利さにもつながる。
- ただし、やりすぎは「しつこい」と思われる。お客さんの気分を最優先に、バランスが重要。
ついで買いのマーケティング用語を正しく理解し、あなたのお店の施策に活かしていきましょう。
あわせて読みたい
SWELLの買い方完全ガイド!最安値で買う唯一の方法と導入手順
メルマガ代行の料金相場とは?依頼先(企業・個人)別に比較
【2025年】「会社は学校じゃねぇんだよ」はどこでみれる?
ビッグローブ光 10ギガの評判は?au勢以外は損する残酷な真実
Cursorで無料でできること徹底解説!制限やCopilot比較も