三大欲求はマズローのどの段階?欲求5段階説との関係とビジネスへの応用を解説
「三大欲求とマズローの関係って?」
「人間の欲求にはどんな段階があるの?」と疑問に思っていませんか。
この記事では、三大欲求とマズロー理論の基本について、わかりやすく解説します。
まず、人間欲求のピラミッドとは何か、そして三大欲求とマズローの関係性を明らかにします。
よくある「三大欲求の割合はどれくらい?」という疑問や、「低次欲求」をカンタンに言い換えた具体例にも触れつつ、ピラミッドの一番下にある第1段階:生理的欲求から順に見ていきましょう。
さらに、マズロー理論と三大欲求の応用として、第2段階:安全の欲求、第3段階:社会的欲求、第4段階:承認欲求、そして最終段階の第5段階:自己実現の欲求までを詳しく解説。
最後に、これらの知識を活かすためのビジネスへの活用アイデアに触れ、三大欲求とマズロー理論の総括を行います。
この記事を読めば、人間の根本的な欲求についての理解が深まるはずです。
この記事のポイント
- マズローの欲求5段階説のピラミッド構造
- 三大欲求が「生理的欲求」に含まれる関係性
- 各欲求段階(安全・社会・承認・自己実現)のわかりやすい特徴
- ビジネスやマーケティングへの具体的な応用アイデア
三大欲求とマズロー理論の基本

- 人間欲求のピラミッドとは
- 三大欲求とマズローの関係性
- 三大欲求の割合はどれくらい?
- 低次欲求の言い換えと具体例
- 第1段階:生理的欲求
人間欲求のピラミッドとは
「人間欲求のピラミッド」とは、アメリカの心理学者アブラハム・マズローが提唱した「マズローの欲求5段階説(自己実現理論)」を、視覚的に(目で見て分かりやすく)表現したものです。
この理論は、「人間は“あるべき自分”に向かって常に成長していく生き物だ」という考え方に基づいています。
その名の通り、人間の欲求はピラミッドのような階層になっており、以下の5つの段階で構成されています。
- 生理的欲求
- 安全の欲求
- 社会的欲求
- 承認欲求
- 自己実現の欲求
マズロー理論の一番大事なポイント。
それは、これらの欲求には順番があるということです。
下の階層の基本的な欲求が満たされて初めて、その上の階層にある、より高度な欲求(高次欲求)に意識が向かうとされています。
例えば、「お腹がペコペコで今にも倒れそう」(生理的欲求がピンチ)な時に、「人から尊敬されたい」(承認欲求)とは思えませんよね。
まずは食べることが最優先。
こういう考え方です。
補足:欲求は5段階だけではない?
実はマズローは晩年、第5段階の「自己実現の欲求」の上に、さらに上の第6段階として「自己超越の欲求」を加えています。
これは、自分の利益(エゴ)を超えて、他人や社会全体、自分が属するコミュニティなど、もっと大きなもののために貢献したい、という欲求とされています。
三大欲求とマズローの関係性
では、私たちがよく耳にする「三大欲求」とマズローの理論は、どう関係するのでしょうか。
一般的に、人間の三大欲求とは以下の3つを指します。
- 食欲
- 睡眠欲
- 性欲
結論から言うと、これら三大欲求は、マズローの欲求5段階説のピラミッドで、一番下の土台となる「第1段階:生理的欲求」の、ど真ん中(中核)にあるものです。
マズローが言う「生理的欲求」には、呼吸、食事、水、睡眠、排泄、体温を保つこと、そして子孫を残すこと(性欲)など、私たちが生きていくために絶対に欠かせない、本能的な欲求が含まれています。
つまり三大欲求は、人間が次のステップ(安全の欲求)に進むための大前提となる、一番おおもとの欲求だと言えます。
「三大欲求 ≈(ほぼイコール) 生理的欲求」とざっくり捉えてもOKです。
それくらい、マズロー理論の土台と三大欲求はガッチリ結びついています。
三大欲求の割合はどれくらい?
「食欲、睡眠欲、性欲の中で、どれが一番強いのか?」と気になる方もいるかもしれません。
しかし、この割合には決まった答えがありません。
なぜなら、その人の年齢、性別、健康状態、置かれた環境によって、欲求の優先順位は常に変わるからです。
例えば、こんな状況を想像してみてください。
- 徹夜明けでお腹も空いている時:「睡眠欲」と「食欲」が「性欲」を圧倒する
- 健康で心も満たされている時:三大欲求のバランスが取れている
- 子育て中で大忙しの時期:自分の「睡眠欲」が何よりも最優先になる
ある調査(※)によれば、30代〜40代の働く女性を対象にしたアンケートでは、「食欲」が約50.8%、「睡眠欲」が約46.7%、「性欲」が約2.5%という結果も出ています。
(※Domani編集部調べ 30~45歳のワーキングマザー120名に調査)
これはあくまで一例ですが、人や状況によって、三大欲求の強さの割合は大きく異なるということがわかります。
低次欲求の言い換えと具体例
マズロー理論を理解する上で大事なのが、「低次(ていじ)」と「高次(こうじ)」という分け方です。
マズローは、5つの欲求を大きく2つのグループに分けました。
① 欠乏欲求(足りないものを満たしたい欲求)
第1段階から第4段階(生理的・安全・社会的・承認)までの欲求です。
これらは「足りないものを満たしたい」という欲求です。
例えば、お腹が空いた(足りない)からご飯を食べる、さみしい(足りない)から仲間を求める、といった感じです。
これらは、一度満たされるとしばらくは落ち着きます。
② 成長欲求(もっと成長したい欲求)
第5段階の「自己実現の欲求」のみを指します。
これは「何かが足りない」からではなく、「自分の力をめいっぱい発揮したい」「もっと上に行きたい」という、自分の中から湧き上がってくるやる気(動機)から生まれます。
「足りない」欲求とは違い、満たされればされるほど、もっともっと!と欲求が強くなるのが特徴です。
低次欲求と高次欲求
一般的に、生きていくために必要な本能的なもの(生理的・安全)を「低次欲求(基本的な欲求)」、より心や社会と関わるもの(社会的・承認・自己実現)を「高次欲求(高度な欲求)」と呼びます。
分かりやすく、第1〜第4段階をまとめて「低次欲求(=足りないものを満たす欲求)」、第5段階だけを「高次欲求(=もっと成長したい欲求)」とバッサリ分けることもあります。
第1段階:生理的欲求
ピラミッドの一番下にある「生理的欲求」は、これまで説明した通り、私たちが生きていくために直結する、一番おおもとの欲求です。
- 食事(食欲)
- 睡眠(睡眠欲)
- 呼吸
- 排泄
- 水分補給
- 子孫を残したい(性欲)
これらの欲求が満たされない状態が続くと、人間は他のどの欲求よりも、まずこれを満たすことを最優先に行動します。
例えば、何日も食べていない人にとっては、「有名になりたい(承認欲求)」とか「安全な家に住みたい(安全の欲求)」よりも、まずは「食べ物が欲しい」という欲求が、他のすべてを上回ります。
これをビジネス(特に会社の人事)に置き換えると、「なんとか生活できるレベルのお給料」や「ちゃんと休んだり寝たりできる労働環境」がこれにあたります。
これが満たされていないと、社員さんは安心して働いたり、会社に愛着を感じたりする以前の問題を抱えていることになります。
マズロー理論と三大欲求の応用

- 第2段階:安全の欲求
- 第3段階:社会的欲求
- 第4段階:承認欲求
- 第5段階:自己実現の欲求
- ビジネスへの活用アイデア
- 三大欲求とマズロー理論の総括
第2段階:安全の欲求
「生理的欲求(食べたい・寝たい)」が満たされると、次に現れるのが「安全の欲求」です。
これは、体や心、そして経済的な面で「安全・安心」を確保したい、という欲求のことです。
具体的には以下のようなものが含まれます。
- 身体の安全:健康であること、暴力や犯罪から守られていること。
- 生活の安定:経済的な安定(安定した収入や貯蓄)、雨風をしのげる住まいがあること。
- 秩序の維持:ルールや法律が守られた社会で暮らすこと、明日も今日と同じように平和だろうと予測できること。
例えば、十分な食事や睡眠が取れていても、「いつ職を失うかわからない」「病気になっても治療費がない」「治安の悪い場所に住んでいる」といった不安があれば、この欲求は満たされません。
私たちの身の回りにある、防災グッズ、保険、警備サービス、または電気やインターネットといった安定したインフラは、この「安全の欲求」に応える商品やサービスと言えます。
第3段階:社会的欲求
「生きていける(生理的)」「安全だ(安全)」が満たされると、人は次に「社会的欲求」(「所属と愛の欲求」とも言います)を求め始めます。
これは、「何らかの集団に所属したい」「仲間が欲しい」「愛情を受け入れたい・与えたい」という欲求です。
- 家族、友人、恋人との良好な関係
- 会社、学校、チーム、コミュニティへの所属感
- 「ひとりぼっち」や「仲間はずれ」はいやだ
人間は一人では生きていけないので、他の人とつながりを求めるのは自然なことです。
この欲求が満たされないと、人は「ひとりぼっちだ…」という孤独感や、社会から取り残されたような不安を感じやすくなります。
最近、みんなが使っているSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)は、まさにこの「社会的欲求(誰かとつながりたい)」を満たす道具として、とても強く機能しています。
第4段階:承認欲求
仲間ができて「社会的欲求」が満たされると、次に現れるのが「承認欲求」(「尊重の欲求」とも言います)です。
これは、「仲間の中で『すごいね』『価値があるね』と認められたい」という欲求です。
マズローは、この承認欲求をさらに2つのレベルに分けています。
1. 低位の承認欲求(他人からの承認)
尊敬されたい、注目されたい、名声や地位が欲しい、という欲求。
SNSでの「いいね!」の数や、高いブランド品を持つことも、この欲求の表れの一つです。
2. 高位の承認欲求(自分での承認)
自分自身で自分を認めたい、という欲求。
「自分は自分でOK」という自己肯定感、自信、自分で考えて行動すること(自律性)、スキルアップなどが含まれます。
人からどう見られるかに左右されない、内面の強さです。
マズローは、他人からの評価(低いレベル)だけでなく、自分で自分を認めること(高いレベル)を満たすのが、次の「自己実現」に進むためにめちゃくちゃ大事だと説いています。
第5段階:自己実現の欲求
ピラミッドのてっぺんにあるのが「自己実現の欲求」です。
これは、第1〜第4段階までの「足りないものを満たす欲求(欠乏欲求)」がすべて満たされた後に現れる、「もっと成長したい欲求(成長欲求)」です。
「自分にしかできないことを成し遂げたい」「自分の持つ可能性を最大限に発揮したい」「あるべき自分になりたい」という、非常にレベルの高い(高次な)欲求です。
- 創造的な活動(芸術、研究など)への没頭
- 自らの信念に基づいた行動
- スキルの探求と成長
- 問題解決への挑戦
この段階に達した人は、人からどう思われるかを気にしたり、どこかに所属することにこだわったりせず、ただまっすぐに「自分がなりたい姿」を追い求めます。
これは、「これで満足」というゴールがない、ずっと続いていく成長のプロセスそのものです。
ビジネスへの活用アイデア
マズローの欲求5段階説は、人が「なぜそう動くのか?」という根本的な理由(動機)を理解するための強力な「考え方の枠組み(フレームワーク)」であり、ビジネスのいろんな場面で使われています。
特に「マーケティング(お客さまの気持ちを理解する)」と「人事(社員さんの満足度アップ)」の2つの面で、とても役に立ちます。
活用例①:マーケティング(顧客ニーズの分析)
お客さまが今、どの段階の欲求を持っているかによって、心に響く言葉や、提供すべき「うれしさ(価値)」が変わってきます。
| 欲求段階 | お客さまのキモチ(例:飲食店) | 響く言葉やサービス例 |
|---|---|---|
| 第1段階:生理的 | お腹いっぱい食べたい | 「安くて大盛り」「すぐ食べられる」 |
| 第2段階:安全 | 安全なものが食べたい、落ち着いて食べたい | 「国産・無農薬」「衛生管理バッチリ」「静かな個室」 |
| 第3段階:社会的 | みんなでワイワイ楽しみたい | 「パーティープラン」「アットホームな雰囲気」 |
| 第4段階:承認 | オシャレな体験をみんなに自慢したい | 「SNS映えする料理・内装」「会員限定」 |
| 第5段階:自己実現 | 食を通じて自分を表現したい | 「自分で作る料理教室」「マニアックな食材選び」 |
活用例②:人事・マネジメント(社員のやる気アップ)
社員さんのやる気(モチベーション)を引き出すためにも、どの欲求が満たされていないのかを知ることがとても大切です。
| 欲求段階 | 社員さんのキモチ | 会社ができること(例) |
|---|---|---|
| 第1段階:生理的 | 生活できるお給料が欲しい、ちゃんと休みたい | 生活に困らない給与、休憩室の整備 |
| 第2段階:安全 | クビになりたくない、安心して働きたい | 社会保険完備、ハラスメント防止、安全なオフィス |
| 第3段階:社会的 | いい仲間と働きたい、ここにいたい | 社内イベント、メンター制度、チーム作り |
| 第4段階:承認 | 頑張りを認めてほしい、出世したい | 表彰制度、公平な評価、昇進・昇格のチャンス |
| 第5段階:自己実現 | もっと成長したい、仕事を任されたい | キャリア支援、資格取得支援、裁量権を渡す |
注意点として、「給料を上げれば(生理的欲求)、誰もがやる気を出す」とは限らない、ということです。
すでに安心して働けて、人間関係にも満足している社員さんにとっては、給料アップよりも「みんなの前で表彰される(承認欲求)」や「仕事を任せてもらえる(自己実現)」方が、やる気スイッチが入ることがあります。
三大欲求とマズロー理論の総括
この記事で解説した「三大欲求とマズロー理論」の大事なポイントを、最後にまとめます。
- マズローの欲求5段階説は人間の欲求をピラミッド型の階層で示した理論
- 三大欲求(食欲・睡眠欲・性欲)は第1段階の「生理的欲求」に当てはまる
- 人間欲求のピラミッドとはマズロー理論を分かりやすく図にしたもの
- 三大欲求とマズローの関係はピラミッドの一番下の土台(第1段階)とピラミッド全体との関係
- 三大欲求の割合は決まっておらず人や状況によって変わる
- 欲求は大きく「足りないを満たす欲求」(第1〜4段階)と「もっと成長したい欲求」(第5段階)に分かれる
- 「低次欲求」は「欠乏欲求」(足りないを満たす欲求)と言い換えられる
- 第1段階:生理的欲求は生きていくための本能的な欲求
- 第2段階:安全の欲求は体やお金の面で安心・安全を求める欲求
- 第3段階:社会的欲求はグループに属したい、仲間や愛情が欲しいという欲求
- 第4段階:承認欲求は他者や自分自身から認められたいという欲求
- 第5段階:自己実現の欲求は自分の可能性を最大限に発揮したいという成長欲求
- 下の欲求が満たされると、だんだん上の欲求に興味が移っていくのが基本
- マズロー理論はマーケティングや人事の分野で応用できる
- ビジネスの活用アイデアとして、お客さまの分析や社員さんのやる気アップに役立つ
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